2016年4月入社をめぐる大学生の就職活動、企業の採用活動が、8月1日の採用選考解禁を前に本格化している。社会や企業はどう臨んでいるのか。学生を指導する機会を持つなど人材育成に力を入れる有力企業の経営者3人に、大学生を対象に働く志を育てる「次代人養成塾 One-Will」の塾頭を務める秀實社の高橋秀幸社長が迫った。
◆経験積む学生時代
高橋秀幸氏(以下、高橋氏) 社会や企業が求める学生像については、回答者の数だけ答えがあるといわれます。ただ実際には、それは言葉の違いだけで本質的な違いはそう大きくないと感じることもあります。そこでまず、どんな学生を求めているのか教えてください。
中村篤弘氏(以下、中村氏) 「前のめり」であることです。15年4月には8人を新卒で迎えましたが、その基準で採用した方々です。入社直後に、外部の研修に参加してもらったところ、よその会社の参加者も含め全部で50人ほどの参加者のうち、成績上位5人のうちの4人が弊社の人材だったという結果で、喜んでいます。
三浦陽平氏(以下、三浦氏) 入社前の学生時代からインターンとして働いていた人材は、大きく伸びていますね。例えば、インターン初日から同期が定時で帰る中、結果を出すことにこだわり結果が出るまで努力していたメンバーは、今会社の中でも群を抜いた成績を出し、社内社外ともに信頼を得てめきめきと力をつけています。入社前からの前のめりな姿勢は大事ですね。
高橋氏 前のめりがキーワードのようですね。竹尾副社長は学生時代から経営者を経験されていますが。
竹尾昌大氏(以下、竹尾氏) いろいろな学生を見てきましたが、学生時代は、自分のやりたいことをいっぱいやる時代だと思います。いろんな経験を積んだ人が、社会に出たときに、夢の見つけ方も早く分かるし、困難の克服の仕方も早く見つけるように思います。いろんな経験の中に、しっかりと考えを持った経営者と接する機会があればなおいい。考え方の基準、価値の基準を高めることができると思います。
高橋氏 やはり、前のめりということは重要なようですね。それをどう見抜きますか。
中村氏 一番やり切ったことは何か、と必ず聞きます。やり切ったものが何であるか、ではなく、どれだけやり切ったかを見たいのです。やり切ったエピソードを聞くと、このぐらいの逆境をはねのけてきたのだろうな、と分かります。
高橋氏 採用後には研修をしますね。
◆入社ゼロ年目制度
三浦氏 社内に「入社ゼロ年目」という制度があり、内定を授けた学生は、インターンとして社員同様の仕事を経験できます。もちろん給料も出ますし、結果を残せばきちんと評価もします。その間は先輩社員がしっかり指導し、トレーニングも積み、新入社員研修のカリキュラムも入社前に終えることができます。「入社ゼロ年目」は、正式に入社した1年目から同年代と大きな差をつけ、入社後すぐにビジネスの最前線で力を発揮できるよう社内全体で取り組んでいます。
高橋氏 就職、採用活動の期間が後ろ倒しになりました。
竹尾氏 実務的には影響はあるように思いますし、賛否両論あると思います。ただ、学生の方たちにはいつもいろんなことを貪欲に経験する姿勢を忘れてほしくないですね。それが社会に出てからの姿勢にもつながると思います。結局は、時間をどう使うか、ということにつきると思います。
中村氏 そうですね。前のめりに時間を使ってほしい。その意味では、One-Willの意義は、ますます重要になるかもしれませんね。