◇
≪FROM WRITER≫
不動産業界を取材するようになって以来、街や大規模施設を丸ごと作り上げてしまうデベロッパーは「夢のある仕事」だと感じ、半ば敬意を抱き、半ば羨望のまなざしで見てきた。今回取り上げた虎ノ門ヒルズは、デベロッパーの仕事としてはまさに“究極の形”と言えよう。
「TEAM」の項で紹介したように、一つの街を作るには膨大な時間も要するし、苦労も数限りない。都の担当者や地権者らに対して、気の遠くなるほど綿密な説明や打ち合わせを行い、さまざまな制約の中で街を形作る。それだけに、達成感は相当なものだと想像する。口にこそ出さないが、取材した4人の担当者から強い自信や誇りのようなものを感じたのはそのためだろう。
構造物自体はコンクリートやアスファルトでできているのだが、街には関わった人のさまさまな思いや熱意という“スパイス”が加わっている。2020年東京五輪へ向けて各地で大規模開発が進むが、開発者の思いや熱意が感じられるような街が数多く出現することに期待したい。(田端素央、大島直之)
◇
≪KEY WORD≫
虎ノ門ヒルズ 昨年6月11日に東京・虎ノ門に開業した超高層の複合タワー。東京都が計画し、「特定建築者」としてパートナーとなった森ビルが開発した。地上52階建て、高さ247メートルで、日本初進出の高級ホテル「アンダーズ東京」やホテルのサービスを利用できる住宅、1フロア約1000坪のオフィス、国際水準の大会議場、商業施設などで構成される。建築物の内部を道路が貫通する「立体道路制度」を活用し、環状2号線(新虎通り)と一体開発した。