【ハザードマップ】マルホン工業、奥村遊機 ヒット続かず、巨額開発費も重荷 (2/3ページ)

2015.6.18 05:00

 ▼奥村遊機 「モナコ」の商標で遊技機器を製造、販売していた中堅クラスの奥村遊機が4月14日、名古屋地裁から破産手続きの開始決定を受けた。負債総額は約50億円だった。

 1947年創業の同社は実績に加えて知名度も高く、全国のパチンコホールに製品を納め、ピークの96年5月期の売上高は約335億円、経常利益は77億円だった。

 2002年の日韓サッカーワールドカップ(W杯)では、パチンコは日本独特の娯楽文化という訴えが奏功し、国際サッカー連盟(FIFA)が同社のパチンコ台を公式ライセンス商品として公認。権利獲得のため1億5000万円(推定)を支払ったとされる。

 漫画家、高橋留美子さんの人気アニメをキャラクターにした「うる星やつら」シリーズのCR機(プリペイドカード対応機)は大ヒット作となったものの、ヒット作が出ないときは業績が想定以上に低迷する。パチンコ人口の減少やホール側の投資抑制もあって減収が続き、大幅な赤字も計上していた。

 14年5月期はヒット作に恵まれず、売上高は約133億500万円と低迷。巨額の開発費を吸収できず2期連続の赤字となり、資金繰りも急激に悪化した上、先行きの見通しも厳しいことから破産を選択した。(東京商工リサーチ)

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