【ビジネスのつぼ】協和 ランドセル「ふわりぃ」 (2/3ページ)

2015.7.6 05:00

ランドセルを手にする協和の若松秀夫専務=東京都千代田区

ランドセルを手にする協和の若松秀夫専務=東京都千代田区【拡大】

  • 協和の縫いしろをなくしたランドセル(右)。従来品と違ってスッキリとしている(同社提供)

 小学校では2011年度の新学習指導要領の実施で、教科書のページ数が全教科平均で約25%増えた。教科書の大きさもA4判が主流で、ランドセルの大型化は避けられない。子供への負担が増えるなか、さらに追い打ちをかけるように市場では華美化が加速している。

 それに対し、ふわりぃは、軽くて丈夫で水に強い人工皮革を採用。従来のランドセルで見られた背面と側面との縫いしろの部分を、特殊な製法によりすっきりとカットした。A4判のクリアファイルが収容できる広い空間も確保した。重さも、最軽量タイプで890グラムまで軽量化した。

 ランドセルの大型化の動きを早くから捉えていた協和は、さまざまなメーカーの工業用ミシンで試作したが、どうしてもうまくいかない。縫いしろをなくすデザインに仕上げるにはランドセルの内側から縫えるミシンが必要だが、日本にはまだなかった。そこで、イタリアにある靴用ミシンのメーカーに依頼し、ランドセル用を製造してもらった。

 ランドセル商戦はかつて、正月以降が当たり前だったが、近年は前年のゴールデンウイーク前から本格化するなど、前倒しが進む。少子化で1人の子供にかけるお金が増えたことで、ブランド品や、派手な刺繍(ししゅう)などデザイン性を向上させた商品も登場している。

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