キリンビールの布施孝之社長は主力のビール「一番搾り」への経営資源集中で上期に6年ぶりのシェアアップを達成した(同社提供)【拡大】
ビール類の酒税見直しで今後、税率の一本化が予想されることもあり、キリンは一番搾りへの投資集中を決断。上期は飲食店での導入拡大に向け販促費を大幅に積み増し、新規開拓件数を約8割増やした。その結果、一番搾りの販売数量は6%増加し、シェア回復の原動力になったという。
キリンは下期も「戦略をぶらさない」(布施社長)といい、一番搾りへの重点投資を継続する。これにより年間でも6年ぶりとなるシェアアップを目指す。
ただ、ライバルも手をこまねいているわけではない。アサヒビールの小路明善社長は「主要ブランドを磨く」と言い切り、最盛期の夏場に向け、ビール「スーパードライ」の店頭販促とCMを連動させた取り組みなどで販売拡大を狙う。
サントリービールは、9月にドライや一番搾りと同価格帯のブランド「ザ・モルツ」を投じて対抗。サッポロビールも最主力ブランド「エビス」の限定商品発売などを計画しており、さらなる市場争奪戦の激化は必至だ。年間シェア争いの行方は、主力のビールブランドでどれだけ販売の上積みを図れるかにかかっている。(今井裕治)