この状況でシャープが新規参入に打って出たのはなぜか。同社広報部は「インドネシアで第4世代(4G)規格が進み始めたタイミングを狙った」としている。
インドネシアでは2年前から地場通信会社が次世代規格で通信速度が一段と高い4Gサービスを開始し、利用者が飛躍的に拡大した。現在では地場最大手のテレコムセルをはじめ各通信会社も追随し、4Gは都市部を中心に一般化しつつある。
◆政府は現地調達方針
スマホ市場が年々活気を呈している中、外国企業が懸念するのがインドネシア国内でのスマホの生産促進、現地調達率を上げようとする政府方針だ。スマホの国内生産を高めて輸入を削減するとともに、いずれはスマホ輸出国に転じて貿易収支を改善する意図がある。今月末にも通信・情報省が発令するとされる大臣令では、携帯電話の目標現地調達率を17年までに30%あるいは40%に設定するともいわれている。
これを受けてサムスンは、スマホをはじめとする携帯電話の新組立工場を今年に入ってジャカルタ郊外で稼働させた。現地でインターネットニュースを配信するコンパスコムによると、新工場の月産能力は100万~150万台。しかし、現状では一部の部品は輸入せざるを得ないため、完成品を輸入した方がコストが低いという。サレ工業相は「国内生産を進める企業には減税など優遇措置をとる」としており、インドネシアでも人気のiPhone(アイフォーン)を手掛ける米アップルに対しても工場誘致を働きかけている。
新規参入したシャープはスマホ工場設置について「現地調達化の動きは認識しており、具体的なプランなど慎重に検討していきたい」(シャープ・エレクトロニクス・インドネシア)という。
政府方針も含めて、インドネシアのスマホ市場は今後も大きな動きがありそうだ。(在インドネシア・フリーライター 横山裕一)