20日に提出される第三者委員会の調査報告では社会インフラや半導体、パソコン、テレビなど、ほぼすべての事業で不適切会計が行われたと指摘する見通しだ。主要役員の多くが責任の対象となる可能性があり、辞意を固めた田中久雄社長の後任人事は難航しそうだ。問題の背景には経営陣の対立もあり、どちらの息もかかっていない役員の登用も大きなポイントとなる。
第三者委の調査で、田中社長や前社長だった佐々木則夫副会長の関与を示す証拠が明らかとなっている。これを受けて、田中社長は周囲に退任の意向を示しており、東芝は9月の臨時株主総会までに後任を選任する見通しだ。
ただ今回の問題は同社の主要事業が対象となっており、傷付いていない役員を探す方が難しい状況だ。取締役の副社長に至っては、問題があった時期に真崎俊雄氏が社会インフラ、小林清志氏が半導体、下光秀二郎氏と深串方彦氏がパソコン、テレビ部門のトップを務めていた。執行役の専務や常務も当時、何らかの形で関与している可能性が高いという。
今回の問題では、パソコン部門出身の西田厚聡相談役と原発部門出身の佐々木副会長の対立がある。それぞれの子飼いの幹部が新社長に就任すれば火種が残るため、外部から厳しい批判を受けることも予想される。