全英オープンで活躍した松山英樹選手。英国ではスポーツは公共財としての意識が強い=19日、英国北東部セントアンドルーズ(AP)【拡大】
しかし、スポーツ専門有料チャンネルや全国各地におけるケーブル放送の急速な普及は変革の可能性を含む。有料放送が人気スポーツの放送権を獲得し独占することを「サイフォン(吸い上げ)」といい、豪州は「反サイフォニング法」を制定し、ユニバーサル・アクセス権を守っている。米国でもこの法律が一時制定されたがケーブル放送最大手HBOが提訴、「言論の自由違反」と判断され無効となった。
やがて米国でも欧州のような現実が起きるかもしれない。
日本もユニバーサル・アクセス権への意識は低い。NHKの受信料を支払っているとはいえ安価であり、民放は無料だ。有料放送のスポーツ中継はまだ視聴率も低く、有力コンテンツとはなり得ていない。
根底にスポーツの持つ公共性や文化への意識の問題がある。スポーツのビジネス価値への評価も低い。もしも、独占契約を理由に大相撲や高校野球中継が有料化されたとしたら、どんな騒ぎが起きるか。ユニバーサル・アクセス権が議論される成熟はまだ遠い話だろうか…。(産経新聞特別記者 佐野慎輔)