旧村上ファンド系の株主提案に揺れる黒田電気の東京本社=東京都品川区【拡大】
電子部品商社の黒田電気に対し、かつて「物言う株主」として知られた村上世彰(よしあき)氏ら4人の社外取締役への選任を求めている旧村上ファンド系の投資会社、C&Iホールディングス(東京)の村上絢(あや)最高経営責任者(CEO)が17日、フジサンケイビジネスアイのインタビューに応じた。21日に大阪市で開く臨時株主総会で採決される社外取締役選任案の行方について「(同社株の約4割を持つ)外国人投資家の多くは提案に賛成してくれると思う。(可決の)確率は高い」と語った。
絢氏は、C&Iなどが主張する半導体・電子部品商社の再編に外国人投資家が理解を示し、議決権行使助言会社の米インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が選任案への賛成を推奨している点を強調した。
C&Iや世彰氏などの旧村上ファンド系は黒田電気株を合計16%超保有する事実上の筆頭株主。6月には「株主への利益還元が不十分」などとして社外取締役選任を株主提案し、臨時株主総会の開催を求めた。
ただ、黒田電気の経営陣や従業員は「企業価値を損なう」などとして反対。絢氏は「株主価値を向上させるという最終目標は黒田電気と一緒だ。(4人を追加で選任すれば)議論を活発化していける」とした。
村上絢氏は世彰氏の長女。慶大卒業後、モルガン・スタンレーMUFG証券を経てC&Iに入り、6月にCEOに就いた。