黒田電気大阪本店=大阪市淀川区【拡大】
旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネージメントはヤマダ電機の株式を買い増し、7月には保有割合が14%超まで上昇。先立って2~3月にはソフト開発や情報処理を手掛けるセゾン情報システムズに対し、会社側の賛同を得ないままTOB(株式公開買い付け)を実施した。
日本では、株式の持ち合いなどを背景に「海外からは株主が物を言わなすぎるとみられてきた」(岡三証券の小川氏)とされる。野村証券の西山賢吾シニアストラテジストは「上場企業は、自らの経営方針にどれだけ多くの株主の信任を得られるかが重要だ。普段から企業としての考え方を積極的に説明し、賛同する株主を増やす取り組みが求められる」と話している。(森田晶宏)
■黒田電気をめぐる経緯
2014年12月22日 C&Iホールディングスなどが黒田電気株を5%超保有していることが判明
15年 4月 7日 村上世彰氏個人が黒田電気株を約6%保有していることが判明
6月26日 C&Iなどが村上世彰氏らの社外取締役選任を提案し、臨時株主総会を請求
7月10日 黒田電気が配当予想を上方修正。村上氏らの社外取締役選任には反対を表明
8月 5日 黒田電気の従業員組織が村上氏らの社外取締役選任に「強く反対」と表明
21日 大阪市で臨時株主総会。村上氏らの社外取締役選任議案は否決