--健康食品事業はダイレクトマーケティングに基づく通販で拡大した経緯がある。アグリ事業も同様な戦略か
「プロ農家の場合、肥料や農業資材でどんなものを使っているかは明らかにしない傾向が強く、口コミなどに期待ができない。利用を粘り強く働きかけていく。最近、家庭菜園など園芸向けの製品「アミノアルファ」を開発しホームセンターで販売したところ、短期間で売り上げが6倍にも伸びた。ブログなど含め、口コミでの広がりは予想以上だった。アジア市場の開拓もさまざまな困難が予想される。万田酵素や万田31号は厳しい環境下でこそ効果を発揮する製品。メーカーのわれわれも困難をチャンスに変える努力を惜しまず事業拡大を目指したい」
--ミャンマーでの農業支援プロジェクトの意義は
「2013年に現地(ミャンマー、エーヤワディ管区)の農家の実態を聞き、即座に支援を決定。コメの原産地の一つだが、生産性が低く、輸送のためのインフラも未整備な状況で、稲作農家はその日に食べるものにも事欠く状況だった。同じアジア人として放ってはおけないと考えた。現在は25の現地農家で万田31号を使用し、農業指導や勉強会を実施。政府機関とも協力し、6カ所で農業試験を実施している。コメの収量は飛躍的に伸びており、農家の生活改善に重い手応えを感じている。苦労が多いが、喜んでもらえることがすごく励みになる。社員2人が駐在し、現地スタッフ数人とともにプロジェクトを進めており、私自身、2カ月に1度、現地を訪問している。ビジネス目線では捉えていないが、今後も支援を継続するにはビジネスとして成立させ、現地雇用を生み出すことも必要だ」