建設機械大手2社の2015年9月中間連結決算が28日、出そろった。中国の景気減速で現地の建設需要が低迷したことが響き、いずれも前年同期比で減収減益だった。先行きへの見方も厳しく、日立建機は早期退職の実施にもつながった。
同日に発表されたコマツの中間連結決算は、売上高が前年同期比5.3%減の8924億円、営業利益が21.2%減の990億円、最終利益が16.5%減の650億円だった。地域別の売上高をみると、北米は増加、日本は微減にとどまったが、中国は前年同期比44.4%減の346億円に落ち込んだ。
この日の会見で、藤塚主夫取締役専務執行役員は「中国市場は4月以降、前年比マイナス50%程度で推移している」と説明した。同社は期初に20~25%とみていた中国需要の減少率を45~55%に下方修正。通期の連結業績予想は据え置いたが、中国の需要は「底を打ったとはいえない」(藤塚氏)と、回復の兆しは見えていないようだ。
日立建機は、中国で主力の油圧ショベルの販売が振るわず、売上高が6.2%減の3650億円となった。桂山哲夫執行役常務取締役は27日の会見で、中国市場の先行きについて「地方政府が疲弊しており、(建機の)購入意欲が乏しい。不動産も動いていない」と語った。9月末には、35歳以上の社員と定年後の再雇用社員を対象に早期退職を実施すると発表している。