マンションを含む分譲住宅の新設住宅着工戸数は、平成26年度が消費税増税などで前年比8.9%減となったものの、27年度は9月までで前年同期比6.2%増とプラスに転じた。賃上げなどの追い風もあって今後も堅調な推移が期待されていたが、データ偽装問題が暗い影を落としかねない。
政府は住宅ローン減税などで住宅取得を後押ししてきたが、マンションの安全性に対する不信感が増幅すれば、需要が冷え込む可能性がある。実際、問題発覚後に需要減退を見越して着工を控える動きも出ているという。
27年4~6月期の実質国内総生産(GDP)は、個人消費や設備投資がふるわずマイナス成長の一方、項目別では民間住宅が前期比1.9%増と数少ないプラス要因となっている。データ偽装問題が長期化すれば、アベノミクスの掲げる成長目標の足を引っ張る可能性もある。