東芝の本社ビル=東京都港区【拡大】
東芝子会社の米原発事業大手ウェスチングハウス(WH)が、2013年3月期と14年3月期の2年間で、資産の価値を切り下げる減損損失を計1600億円計上していたことが13日までに分かった。これを受けて同日、東芝の株価は急落し、一時前日終値比9.2%安と今年の最安値をつけた。WH単体の業績を開示せず、「原子力事業は好調」と強調してきた情報開示姿勢も批判され、9月末に発足した新体制への逆風が強まっている。
減損損失は13年3月期に約9億ドル(約1100億円)、14年3月期に約4億ドル(約500億円)。原発の新規建設工事が不調だったことなどが要因で、WHの単体決算は両期、赤字になっていたという。
この日の終値は5.9%安の295円20銭。松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「WH減損の話題が続けば、機関投資家も東芝株を保有しにくくなる」と指摘した。