10月29日にオープンした高島屋の新業態店「タカシマヤスタイルメゾン」。さまざまな婦人雑貨商品を厳選して取りそろえている=神奈川県海老名市のららぽーと海老名【拡大】
大手では三越伊勢丹ホールディングスが、来年3月に新業態店「イセタンハウス」の1号店を名古屋市の大型商業施設にオープンさせる。同社は雑貨や食品を中心に取り扱う郊外型の小型店「エムアイプラザ」、化粧品に特化した小型店「イセタンミラー」などを展開してきた。これまでは600平方メートル以下の小型店だったが、イセタンハウスは約3000平方メートルの中型店の位置づけで、「地域特性と品ぞろえのバランス」(同社)を追求。1号店の成果を踏まえ、多店舗展開も視野に入れる。
小田急百貨店や京王百貨店も鉄道沿線を中心に新業態店を展開。通勤や通学で駅を利用し、近接する商業施設を利用する若年層への浸透を図る。
訪日外国人観光客の急増により、東京や大阪の店ではインバウンド需要を取り込み各社とも売り上げは好調だが、地方では売り上げの回復が見通せない厳しい状況が続く。
巨額の投資が必要な大型店の新規出店は「各社とも事実上不可能」(大手百貨店)で、特色ある中小型店の展開できるか否かが、各社の業績を占う試金石となりそうだ。