新たな5年間の戦略的パートナーシップを結んだ東レの日覚昭広社長(左)とファーストリテイリングの柳井正会長兼社長=17日、東京都千代田区【拡大】
東レとファーストリテイリング傘下のユニクロは17日、2016年から5年間の新たな戦略的パートナーシップを結んだ、と発表した。06年からの第1期、11年からの第2期に続くもので、東レの高機能繊維を使った衣料品を共同開発し、世界規模で展開する。IT活用の推進や生産の最適化に取り組み、1期目の2500億円、2期目(見通し)の6000億円を上回る1兆円の取引額を目指す。
IT活用の推進では、顧客のビッグデータを積極活用して市場ニーズを正確にくみ取り、商品開発に素早く反映させる。また、引き続き中国生産を拡大しながら、それ以外の国に拠点を設けて一極集中のリスクを避ける「チャイナプラスワン」などを念頭に、ベトナムやバングラデシュの生産を増強する。普段着として着られるスポーツウエアの開発にも力を入れる。
両社は発熱・保温機能を持つ素材「ヒートテック」を使った衣料品を開発するなど、二人三脚でヒット商品を生み出してきた。ファストリの柳井正会長兼社長は同日の会見で「デジタル化の推進によって(世の中の)トレンドを的確に把握し、商品にしっかり織り込む」と抱負を述べた。