カネボウ化粧品が19日にオープンしたメークブランド「コフレドール」の期間限定ショップ=東京・表参道【拡大】
化粧品各社が東京の原宿・表参道地区に相次ぎ期間限定ショップを開き、顧客開拓に力を入れている。同じ東京の流行発信地である銀座に引けをとらない情報発信力を持つうえ、客層が若いためSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じた情報拡散も期待できるとみて、独自の工夫で販売促進に役立てている。
カネボウ化粧品は19日、商業施設「表参道ヒルズ」に主力メークブランド「コフレドール」のショップを12月6日までの期間限定で開設した。最近発売した限定品の化粧品セット「パーティコフレ」を紹介、同商品を使ったメークや撮影を無料でプロに頼める。同社は原宿・表参道について、「おしゃれに敏感な人が多いほか、撮影画像をSNSに投稿してもらえる」と期待する。
その翌日には、資生堂が表参道ヒルズの近くにあるイベントスペース「Zero Base表参道」に、主力メークブランド「マキアージュ」の誕生10周年を記念した10日間限定のショップをオープン。「LADY RED(レディーレッド)」と名付けた独自の赤色で建物全体を包み、限定の口紅などを販売する。カメラ付きモニターの前で顔を撮影すると、口紅を塗った様子をシミュレーションできるコーナーも設けた。
原宿・表参道では、コーセーもメークブランド「ジルスチュアート」のコンセプトショップを9月から商業施設「東急プラザ表参道原宿」で運営。化粧品のほか、タオルやマグカップなどの雑貨も販売してギフト需要の取り込みを図っており、20日には来年1月14日までの期間限定カフェを併設した。他にも花王は新発売のヘアケア商品「ASIENCE MEGURI(アジエンス めぐり)」を無料体験できる予約制シャンプーサロンを10月にオープン、来年2月までPRに役立てる。
化粧品各社は人口減による国内市場の縮小に直面し、ドラッグストアなどで売られる低価格品の人気にも危機感を募らせている。各社が原宿・表参道でPRするブランドは中高価格帯が中心で、消費者の上級移行を促し、収益力を高める狙いもありそうだ。(井田通人)