日本政策金融公庫の「女性活躍推進関連融資」が、今年2月の取り扱い開始以来、10月までの累計で50社を突破した。当初は融資件数が少なかったが、10月だけで10社になるなど月を追うごとに増え10月末で59社に達した。中小企業事業本部営業推進部企画運用グループの井原佳澄グループ長代理は「今年創設された制度ということもあって社内外で浸透していなかったが、金利優遇措置もあり伸びていくはず」と話している。
融資を受けた企業の一つが第一印刷(愛媛県今治市)。ゆるキャラグランプリを受賞したグッズを開発するなど、女性の目線を生かした事業を展開しているほか、子育てサポート企業として「くるみん」を取得したことなどが認められた。従業員約150人のうち女性が約半分を占めるちば醤油(しょうゆ)(千葉県香取市)は、女性の登用と仕事・家庭の両立支援に力を入れている。
政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%にすることを目標に掲げている。また、地方自治体でも「神奈川なでしこブランド事業」など独自の認証制度を導入する動きが相次いでおり、女性の活躍に向けた融資の動きは活発化しそうだ。