IHIが航空機エンジンのメンテナンスサービスを開始したのは1962年。それから半世紀で同社が開発に参画したエンジンの利用が広がり、世界中の空を飛んでいる。
江戸末期に創設された石川島造船所を起源とする同社だが、今では航空機エンジンを中核とする航空宇宙部門が経営の大きな柱となった。2015年3月期連結業績の営業利益のうち航空宇宙部門は6割を占める。中でも瑞穂工場をはじめとしたメンテナンスサービス分野の利益貢献度は大きい。
高い利益率
IHIが手掛ける航空機エンジン事業は非常に特殊なビジネスだ。海外メーカーのエンジン開発に技術や部品を提供し、それだけで投資回収するのではなく、メンテナンスサービスを含めて利益を得る。満岡次郎常務執行役員は「投資回収に15~20年かかる」と息の長いビジネスだとした上で、回収段階に入れば「部品交換などもあり、利益率が高い」と話す。