□日本介護福祉グループ代表取締役・藤田英明
新しい年が明けた。新年最初の今回は、著者の起業の原点について述べたい。起業を志したのは2004年。28歳のとき、1100ページの事業計画書を胸に、手当たり次第に銀行を駆けずり回った。手持ち資金は、わずか10万円にすぎない。とにかく、利用者やその家族が介護で少しでも悩んだら、24時間365日いつでも駆け込むことができる「よりどころ」をつくることしか頭になかった。
社会福祉法人に勤めていたので株式会社の経営は未経験であり、どうしたら良いのか全く分からない。「介護現場で直面した多くの利用者や家族が直面している諸問題を解決しなくてはならない」「そのためには地域社会の中によりどころが必要だ」という使命感だけだった。
無担保で融資してくれた東和銀行の副支店長、埼玉県熊谷市で築30年くらいの空き家をリフォームしてくれた建設会社の社長がいなければ、起業はかなわなかった。
07年には考えぬいた末、FC(フランチャイズチェーン)本部を立ち上げ、全国展開を始めた。「困難に直面している高齢者の人たちや、その家族は全国各地に大勢いる」という現実に対し、見て見ぬふりはできなかったからだ。