--10月に持ち株会社に移行する
「地域統括機能をニューヨーク、シンガポールに設けるなど態勢を整備してきたが、さらに全体を統括する持ち株会社になれば、グループ経営が本格化する。企業統治を強化しながら、成長戦略の幅を持たせる。M&A(企業の合併・買収)の素早さ、柔軟性が確保できることも大きい。とはいえ、株式会社に移行した際と同じだが、節目に経営改革を実行できることに意味がある。株式会社化も変化を恐れないマインドが育ち、改革が進んだ。来年の持ち株会社をてこに、次の持続的成長が可能な戦略展開だとか、成長戦略を推し進める機会にする」
--アジアの出資先の生保会社の現状は
「まだ決算数値に反映される規模ではないが、例えばベトナムの成長は著しい。東南アジア諸国連合(ASEAN)の国は利益面の貢献には時間がかかるが、成長性という意味では非常に大きな役割を担う。我慢しながら成長させていく。ただ、グループ企業の事例を共有しながら、新規事業を進めるなどグループのシナジー(相乗)効果が出てきており、今後が楽しみだ」
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【プロフィル】渡辺光一郎
わたなべ・こういちろう 東北大経卒。1976年第一生命保険入社。常務執行役員、専務執行役員を経て、2010年4月から現職。静岡県出身。