さて、全国地方都市を見渡せば、幹線道路は俗にいう“16号線的風景”となり、駅前はシャッター商店街で埋め尽くされ、営業しているのはナショナルチェーンの商業施設ばかりであるが、そんな全国的に画一化されつつある街の風景の中にあって、唯一、パチンコに関しては地元チェーン店や地元密着店が数十年を経て生き残っているケースが珍しくない。パチンコ施設自体がランドマークとなっている場合もあるだろうし、故郷の原風景として刻まれているケースもある。これは地方小売商店がほぼ全滅状態にある中で、奇跡的なことでもある。地元の小売りサービス業が次々とナショナルチェーンの軍門に下る中、生き残る地元パチンコ店に対して、地元出身の有名人やスポーツ選手を誇らしく思う感情に近いものが生まれるのではないか。その小さな事象が郷土愛をはぐくみ、地域にエネルギーを生み出す活力となる。この意味で遊技業界は一つ指針を打ち出せる気がしてならない。
◇
【プロフィル】木村和史
きむら・かずし 1970年生まれ。同志社大学経済学部卒。大手シンクタンク勤務時代に遊技業界の調査やコンサルティング、書籍編集に携わる。現在は独立し、雑誌「シークエンス」の取締役を務める傍ら、アジア情勢のリポート執筆などを手掛ける。