経営再建中の東芝は4日、2016年3月期連結決算の最終損益の見通しを下方修正し、赤字額が従来予想の5500億円から7100億円に拡大すると発表した。
送配電事業で新たに損失を計上したほか、半導体の主力製品の価格下落による減収なども影響し、過去最悪の巨額赤字がさらに膨らんだ。
同日会見した室町正志社長は構造改革の一環として、不振が続く白物家電、パソコンの他社との事業統合などについて「少なくとも2月末までには、何らかの方向性を公表できるようにしたい」と明らかにし、白物家電の統合先として、同じく経営再建中のシャープも「候補の一つ」とした。
東芝は昨年12月に赤字予想を発表、15年3月期の378億円の最終赤字に続き、2年連続の赤字になる。構造改革費用の積み増しのほか、将来の税金還付を見込んで過去に計上した「繰り延べ税金資産」の取り崩しも響いた。
同日発表した15年4~12月期連結決算は、前年同期の1072億円から最終損益が4794億円の赤字に転落した。室町社長は「前回の公表から1カ月余りで、大変大きな修正となり、おわび申し上げます」と陳謝した。