会談前に握手する丸川環境相(左)と林経産相=8日午後、経産省【拡大】
「ホッとした」。石炭火力発電所の新設計画に、着工前の環境影響評価(アセスメント)で反対意見を出していた環境省が容認に転じたのを受け、電力業界の関係者は一様に胸をなで下ろした。二酸化炭素(CO2)排出量の多い点を問題視した同省が態度を硬化させたことで、中止に追い込まれる恐れもあった東京電力などが進める石炭火力の新設計画は認められる見通しとなった。業界では「今後は計画が進めやすくなる」と歓迎ムードが漂う。
石炭火力の新設計画では、東電などが進める茨城県東海村、福島県広野町、同いわき市、電源開発(Jパワー)などの茨城県鹿嶋市の4計画が、5月以降に環境アセスの審査期限を迎える。
同省はいずれも計画を認めるとみられ、着工に向け大きく前進する。発電コストの安い原発が再稼働していない東日本地域の石炭火力だけに電力業界では安堵感が広がる。先行4計画の「合格」を皮切りに、「是認できない」と“ダメだし”された後発の山口県宇部市(大阪ガス、Jパワー、宇部興産)などの5計画の進展に弾みがつきそうだ。
一方、全国の電力会社36社は8日、CO2削減に向けて、計画提出と実績の報告を求める自主的な管理団体「電気事業低炭素社会協議会」を設立。計画達成に努力しない電力会社には、社名や実態を公表するなど厳しい処分を科す。電力業界は、自主的な取り組みで環境省の温暖化抑制に歩調を合わせる姿勢も示す。