住宅ローンの申し込みが増える春をにらみ、銀行がインターネットだけで手続きが完了する便利な新サービスなどを導入している。日銀のマイナス金利導入決定などで住宅ローン金利は歴史的な低水準にあり、サービス面の充実で新たな顧客を呼び込む。
ネットに慣れ親しんでいる若年層の顧客を増やし資産運用の提案や定期預金の獲得に結び付ける狙いもある。
インターネット専業のじぶん銀行は昨年12月、邦銀で初めて申し込みから契約までネットで完結する住宅ローンを始めた。本人確認書類や収入を証明する書類をスマートフォンなどのカメラで撮影しネット上で登録すると最短10日程度で手続きが完了する。
抵当権の設定手続きは司法書士との面談が必要になるが、郵送やファクスを使う従来の方法に比べて期間は半分以下で済む。広報担当者は「浮いた時間を住宅選びなどに充ててもらいたい」と話す。
三井住友銀行は、住宅展示場やマンションのモデルルームの訪問客を対象に、タブレット端末でローンの事前審査を実施している。端末に勤務先や勤続年数を入力すれば、通常数日はかかる審査が15分以内で終わり、どれだけ借り入れできるか知ることができる。