欠陥エアバッグ問題に揺れるタカタが、欧州のエアバッグ生産拠点の集約や、海外を中心にした人員削減などのリストラ策を検討していることが17日、分かった。一部事業の売却も進めて巨額のリコール(回収・無償修理)費用を最大限確保し、自動車メーカーからの支援に理解を得たい考えだ。
タカタはリストラを含む具体的な再建計画の策定を外部専門家委員会に委任する。同委は高田重久会長兼社長らによる一族経営の見直しも検討し、4月までに計画をまとめるとみられる。
欧州はドイツやチェコにエアバッグの生産拠点があり、一部を統合するなどして合理化を図る。これに伴い、2017年4月以降に人員を削減する。
北米や南米、アジアのエアバッグ事業の関連でも人員整理を進める。
中核ではない事業に関し、子会社などの売却も検討する。国内事業はコスト削減などを急ぐ。
またタカタは、メーカーの支援による資金繰りの安定を前提に、16~25年度までの事業計画を策定する。同社は年250億円程度をリコール費用に充てられると想定。業績は当面悪化するが、25年度には14年度水準まで回復させたい考えだ。
全体で数千億円規模に上る見通しのリコール費用は、過失の割合に応じてタカタとメーカーが負担するが、タカタは同社が支払うべき費用の一部肩代わりをメーカーに要請。メーカーも支援を検討している。ただ巨額の費用負担になるため、調整は難航も予想される。