関西電力は17日までに、2017年4月のガス小売り全面自由化に合わせ、関西で家庭用ガス市場に参入する方針を明らかにした。割安な料金で電気とガスをセット販売し、大阪ガスなどに対抗する。
今年4月の電力小売り全面自由化では、関西で大ガスや新規参入の電力会社(新電力)が関電の現行料金に比べ割安な電気料金プランを続々と打ち出している。守勢に立つ関電は家庭用ガス事業を新たな収益源に育て、巻き返したい考えだ。
関電の八木誠社長は「総合エネルギー企業としていろんなサービスを展開する。お客さまに関電を選んでもらえるようにしたい」と意欲的だ。火力発電用に輸入したガスに余裕があるため、自由化を好機と捉えて料金戦略などを今後具体化する方針。
経済産業省はガス自由化に向け、市場参入を望む企業の登録申請を8月から受け付ける。新規参入組は既存の都市ガス会社の導管を利用してガスを供給する仕組みで、導管使用料(託送料金)は年内をめどに決まる見通しだ。大手電力や石油元売り、商社などの参入が見込まれ、価格やサービスを競うことになる。