九州大学病院リハビリテーション部の協力を得てマシン開発をスタート。12年9月の国際福祉機器展に出展したところ、「こういう商品が欲しかった」と好感触を得た。13年春、満を持してリハビリサポートマシン「ドキドキへび退治II」「猪突(ちょとつ)猛進! うり坊タタキ」「PON PON TOUCH!」の3商品を発売した。
「ゲームセンターのゲーム機はゲームのペースに人が合わせる。われわれのゲーム機は利用者のペースにゲーム機が合わせる。指1本しか動かせない人たちでも楽しめ、反射速度を競うこともできる」
◆認知症予防になれば
導入したホームを訪ねた印象を「いい意味でうるさい」と高橋社長は笑う。「前はシーンとしていたホームが、ゲーム音のほかにも声が聞こえ、にぎやかになった。利用者同士でコミュニケーションが生まれれば、それが認知症予防にもつながる」
超高齢化社会で市場の将来性は高い。しかし、「私の見方はもう一つある」と言う。自身も88歳の母親を介護している。
「やはり、元気なうちに体を動かして、残りの命を平穏なだけでなく、楽しみながら過ごしてもらいたい。ゲームにはそういう力があることを広く知ってもらえれば」
あるデイサービスでは、1日に4回もゲームで遊ぶお年寄りがいるという。「その家族が『うちのおばあちゃんは、このヘビをやって歩けるようになったと言っているよ』と。そんなことはないんだけど、そう思ってくれるならうれしい」と笑顔を見せた。(鵜野光博)
◇