地元の間伐材を使って容器を生産するイマムラスマイルコーポレーションは、海外展開資金を活用して海外市場の開拓に力を入れる【拡大】
中小企業が海外向けビジネスを拡大している。日本政策金融公庫は29日、小規模事業者を対象とする海外展開資金の2015年度融資件数が、前年度比で4割増の1100件程度に達する見通しを明らかにした。海外向けのeコマース(電子商取引)事業の強化に向けた投資が牽引(けんいん)力になっている。地域・伝統産品を取り扱うクールジャパン関連企業の動きも活発化した。訪日外国人旅行者の急増に伴い、日本の技術や文化に対する海外からの評価が一段と高まっており、今後も融資件数は堅調に推移するとみられる。
海外展開資金は11年に導入された。12年度は462件だったが、13年度は522件、14年度は773件と順調に拡大している。15年度は1月末ですでに昨年を36%上回る1051件に達しており、2~3月も一定の実績を積み上げるとみられ、1100件程度に到達する見通しだ。
eコマース関連の投資が活発な理由は、日本製の日用品や玩具などに海外からの引き合いが強いため。“爆買い”する中国人などを中心に、日本製への信頼度が高い。特にeコマース事業は少人数の会社でも展開できることから、海外展開資金を活用する事例が増えている。