東日本大震災の被災地、宮城県石巻市の女性らが、川崎市の手作りバッグブランド「ビヨンドザリーフ」と協力し、機織り機で作ったクラッチバッグが人気を集めている。都会的なデザインが販売サイトで好評で、同社は「自立を目指す被災者の雇用を増やしたい」としている。
「グレーの商品が人気だったよ」。暖房が効いた一室で女性たちの明るい声が飛び交う。会話中も機織り機を動かす手は止まらず、白や紺色の糸が重なって、石巻の海を表現した織り地があっという間に出来上がった。機織り講師の赤坂智子さんら30~50代の女性6人が参加。全員が被災し、今も仮設住宅に住む人もいる。赤坂さんは仲間を元気づけようと、震災直後から機織り機を手に仮設住宅を回り、手作りの楽しさを伝えてきた。
被災地で女性が就ける仕事の選択肢は限られるため「自分たちで安定した雇用を創出したい」と事業化を模索。高齢の女性が手作りしたバッグを扱うビヨンドザリーフの楠佳英社長の耳に届き、昨年10月に販売を始めた。手数料などを除く利益の約7割を石巻の女性らが受け取るという。
3色あるバッグは1個1万8144円。手作り感やデザインが評判になり、全国から注文が舞い込んでいる。年明けは数日間で50個売れることもあった。これまでに約140個を売り、新色も追加する予定。手作りのため受注を制限する期間があり、次回は5月頃に再開する見通しという。
完成度の高い商品を目指し、楠社長らがデザインや商品の出来を厳しくチェック。ほどいてやり直すこともある。楠社長は「自ら稼ぐことで、被災した方々の自信になれば」と話している。