化粧品メーカー各社が訪日外国人客への接客を強化している。化粧品は「爆買い」の対象として人気が高く、リピーターが増えているため、各社は好調が続くと判断し、直営店などへの囲い込み競争も激化。外国語の画面で商品を説明するタブレットや専用サイトの導入のほか、外国語ができる店員を常駐させるなどして、売り上げ拡大を目指す。
ポーラは中国語や英語で商品の特徴を説明し、外国人客とのやりとりを助けるアプリを開発した。タブレットでこのアプリの画面を表示し、美白美容液やサプリメントの特徴などを文章や写真、イラストで紹介。昨年8月以降、東京や大阪、北海道の百貨店などにある11店で導入した。
画面を見せるだけで内容が伝わり、接客時間を短縮できる。担当者は「外国語ができる店員が不足する店舗でも売り上げが増加した」と話す。
ファンケルは今年1月、中国語の専用サイトを開設。商品の説明や販売店リスト、日本限定の商品も掲載する。買い物時間が限られる旅行者が、訪れる予定の店にどんな商品があるかを事前に確認できると好評だ。
ディーエイチシー(DHC)は、外国人に人気の商品を厳選してそろえた直営店を東京・銀座の百貨店内にオープンした。基礎化粧品など約280品を並べ、中国語や英語ができる店員が待機。売れ筋の商品は袋に複数入れてリボンを付け、まとめ買いにも備えた。直営店担当の高橋佳代さんは「ストレスなく買い物できると人気だ。購入金額も他の直営店に比べて2、3倍に増えた」と話している。