◆信頼できる相手に
さまざまな危険をできるだけ知り、危険の程度に応じて、限られた記憶力や時間を割り振るしかない。なかでも、取引相手の信頼性は要注意だ。危ない相手には支払いたくない。恐らく、世界中の人がそう思っている。
流通業は、国際観光やネット通販の増加で、世界と競争する時代になった。カード情報の流出は、店の信頼感を砕く。国際的な損害賠償のリスクもある。日本の流通業が、支払いの安全性でも世界の消費者に信頼され、国際競争力を確保できるようにと願う。
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【プロフィル】谷みどり
たに・みどり 東大経卒。1979年通産省(現経済産業省)入省。経産省消費経済部長、官房審議官(消費者政策担当)を経て、2008年7月から現職。60歳。広島県出身。