「設計図を描いた建物が気持ちよく利用されているか気になり、完成後に見に行くこともある」と話す小林裕平氏【拡大】
建物の設備設計・監理を専業とする設計事務所、ピーエーシー(東京都台東区)の機械設備設計グループに所属し、病院などの空調や空気清浄化のための設備システムの設計図を描く。
空調機や空気が流れるダクトの配置を決め、着工前に設計図を完成させる。大規模な病院は大型の空調機を数台置き、給気口から外気を吸い込み、季節に合わせて空調機で暖めたり、冷やしたりしてから、ダクトを通して建物内の多数の部屋に空気を送り込む。
「季節ごとに設定した温度になるように、いくつかの部屋の天井には、小型空調機を取り付けて細かく調節する」ほか、部屋の排気口から汚れた空気を出し、常に新鮮な空気が入るようにする。
ダクトは天井裏に隠す。建物の規模が大きいほど、また部屋数が増えるほど、多くのダクトが複雑に入り組むが、「きちんと収まるように設計図を何度も描き直す」。できるだけ曲げずに直線的に通すことで、メンテナンス性を高め、節電によって省エネにつなげる。
特に清浄さを求められる手術室には、細かなちりも除去できるフィルターを付ける。「外部のほこりが室内に入らないよう部屋の排気口には空気の逆流を防ぐ仕組みも取り付ける」ときめ細かな工夫によって、清浄さを維持できるようにしている。
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【プロフィル】小林裕平
こばやし・ゆうへい 子供の頃から建築に興味を持ち、大学や大学院で建物内の温度変化や空気の流れ方を学んだ。千葉工大大学院修了。2012年、ピーエーシーに入社。28歳。和歌山県出身。