自動車大手の平成28年春闘交渉も、16日の一斉回答に向けて大詰めを迎えている。労働組合側はベースアップ(ベア)に相当する賃金改善分として月額3千円をそろって要求。日産自動車は満額回答を視野に入れ、トヨタ自動車も2千円以上を回答する見通しだ。
日産がベアを満額回答すれば、26年の月3500円以来で2年ぶりになる。北米市場の販売増などを背景とした好業績を社員に還元し、一時金も年間5・9カ月分の要求に満額を回答する方針だ。
一時金についてはトヨタも、労組が年間7・1カ月分を要求し、最終調整している。
自動車関連企業の労組でつくる自動車総連は12日、加盟労連の代表者らの会議で交渉状況を確認。相原康伸会長は記者会見で、「交渉は膠着(こうちゃく)状態だが、(賃金の)底上げや格差是正に資する回答獲得に向けて最後まで交渉する」と述べた。