高浜原発3、4号機の運転差し止め仮処分の執行停止を申し立て、記者会見する関西電力の幹部(左)ら=14日午後、大阪市【拡大】
関西電力は14日、高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定に異議と執行停止を申し立て、今後、重ねて安全性の主張に全力を尽くす構えだ。販売競争が激化する電力小売り全面自由化を控え、原発の再稼働で燃料コストの軽減を目指したが頓挫。司法による原発停止は他に拡大する可能性があり、経営の先行きは不透明だ。
大阪市の関電本店で記者会見した原子力法務グループの中田一真チーフマネジャーは、大津地裁の弁論で使った膨大な資料を並べて示し、記者らに「これだけ十分に立証してきたことをご覧いただきたい」と訴えた。
関電は、地裁が「当社の主張を誤認し」「不当に無視した」と強調し、仮処分決定の取り消しを目指すと説明した。
3、4号機の停止で関電には1日当たり約3億円の損失が出るという。2016年3月期は5年ぶりに黒字転換する見通しだが、原発の稼働ゼロで需要期の夏を迎えれば、火力燃料費がかさみ、再び収益は圧迫される。