【人工知能時代を生きる】自動運転 難しい「命の優先順位」 (2/2ページ)

2016.3.22 05:00

低速で自動運転する小型電気自動車=北九州市の北九州産業学術推進機構

低速で自動運転する小型電気自動車=北九州市の北九州産業学術推進機構【拡大】

 いま開発者を悩ませているのは次のような問題だ。自動運転車に乗っていたら、目の前に子供が飛び出してきた。ブレーキは間に合わず、急ハンドルで回避できるが、ガードレールにぶつかり搭乗者の自分が死ぬかもしれない。AIはどちらを助けるようにプログラムされるべきか-。

 「子供を救いたいのは当然だが、搭乗者を守ってくれない車に乗りたいユーザーはいないだろう」と話すのは、ロボットの法的問題に詳しい小林正啓弁護士(53)。緊急時の判断基準は「『人間優先、搭乗者優先、その上で被害を最小限にする』といった原則に基づいて運用することになるだろう」と指摘する。

 優先するのはあくまで人間で、中でも搭乗者を最優先に考える。犠牲者が複数出そうなら被害を最小限にする方法を選ぶ、という具合だ。だが、搭乗者の軽いけがと通行人の命を比べた場合の優先順位など、状況の設定は一筋縄ではいかない。

 「ある人を助けるために、他の人を犠牲にすることは許されるのか」。私たち人間も簡単に答えを出せない究極の難問だが、AIに仕込む倫理や判断基準は、その人間が決めるしかない。

 小林弁護士は「最終的にはロボットが人間の生き死にを決めてよいのかという話にもつながる。専門家任せにせず、多くの人が関心を持つべきテーマだ」と話している。

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