東京電力柏崎刈羽原発の6号機(中央)、7号機(右)=新潟県【拡大】
原子力規制委員会は23日、東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型でのモデルケースとして優先的に進めていた東電柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の審査の在り方を見直す方針を決めた。耐震設計をめぐる東電の資料の準備不足が原因で、審査は長期化する見通しとなった。
柏崎刈羽6、7号機の審査は最終段階に入っていたが、規制委は東電の準備が整うまで半年程度かかるとみており、審査終了が今秋以降にずれ込む可能性が出てきた。
柏崎刈羽6、7号機の再稼働は東電の経営再建の鍵とみられていただけに、審査の遅れは今後の東電の経営戦略にも大きく影響しそうだ。
原発の重大事故や地震、津波対策の強化などを求めた新基準に基づく審査では福島第1原発と異なる加圧水型の審査が先行しているが、規制委は沸騰水型の中で柏崎刈羽6、7号機を優先して審査を進めていた。
柏崎刈羽原発の基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)は全国の原発でも最大規模。東電は設備の耐震強度評価について従来と異なる手法を採用すると表明したものの資料の準備が進んでおらず、規制委はこの手法の妥当性を審査する時間が必要と判断した。今後は同じ沸騰水型の東北電力女川2号機(宮城県)や中部電力浜岡4号機(静岡県)などと並行して審査を進めるとみられる。