名門商社苦戦、資源分野めぐり明暗 伊藤忠初の業界首位ほぼ確定 (2/3ページ)

2016.3.25 07:32

業績予想の下方修正を発表する三菱商事の小林健社長(左)=24日、東京・赤坂

業績予想の下方修正を発表する三菱商事の小林健社長(左)=24日、東京・赤坂【拡大】

 24日に記者会見した三菱商事の小林健社長は「懸念材料は全て手当したが、赤字を重く受け止めている」と述べた。経営責任として15年度の全役員の賞与を返上。小林社長は報酬の5割、資源関連の担当役員は3割のカットとなる。株主への配当は50円を維持する。

 資源ビジネスへの依存度が高かった三井物産、三菱商事の2社が赤字転落する一方、繊維や食品、機械など“非資源”に強い伊藤忠商事は今期に過去最高益となる見通しを変えておらず、初の業界首位への浮上がほぼ確定。明暗が分かれた。

 資源・エネルギー価格の本格的な回復には「3~5年はかかる」(三井物産の松原圭吾常務)と長期化を覚悟。各社とも戦略見直しが急務となる。

 まずは伊藤忠と同様に非資源分野の強化だ。海外インフラ事業に加え、食料、ヘルスケアといった成長分野への投資を強化する。三菱商事の小林社長は会見で「食料資源や消費者により近い事業」に注力する考えを示した。4月1日付で社長に就く垣内威彦常務は、非資源の食品、小売り・流通事業を率いて収益を増やした実績を持つだけに、期待を託してバトンタッチする格好だ。

一方、各社は資源投資についても、長期的な視点で継続する方針

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