このようなプレーヤーは商圏内を自然回遊する潜在的顧客だ。太平洋の回遊魚のように一定のエリアを泳いでいるパチンコ・パチスロプレーヤーと思っていただきたい。そして、その回遊魚の一部は大半のホールが気づかないうちに貴店にも来店している。また、回遊するということはすなわち、そのプレーヤーにとって絶対的遊技前提条件が存在せず、これまで通っていたホールに対する特別の愛着やひいき感情が薄いことを意味している。
重要なのは、このような回遊客を見つけたときにホールが何をできるかということだ。「どうせ新規客など来ない」と思い込んではならない。自然現象ともいえるプレーヤーの回遊現象は、少なからず貴店にも新規客を運び続けている。業界を取り巻く環境変化により、今後サービス業としての要素強化がもとめられるなか、このような場面に備えて普段どのような取り組みが行われているのか。遊技機市場の変化を前に、改めて確認する必要がある。
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【プロフィル】岸本正一
きしもと・しょういち 1963年生まれ。元SEの経験を生かし、遊技場の集客メカニズムを論理的に整理・研究する傍ら、全国のパチンコホールを対象にコンサルティングを行う。雑誌への連載やテキストの出版、セミナーでの講演なども手掛ける。オベーション代表。