■72労組届かず 賃金格差是正に課題
トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会は31日、2016年春闘の回答状況をまとめた。製造系104組合のうち8組合は、ベースアップ(ベア)月額1500円で決着したトヨタの水準を上回り、24組合が1500円で並んだ。ただ72組合は1500円に届かず、グループ内の賃金格差の是正に課題も残した。
今春闘では、全トヨタ労連がベア3000円以上の統一要求を掲げ、製造系122組合の中で3月30日までに回答があった104組合全てがベアを獲得した。回答額の平均は1090円で、高額ベアが相次いだ15年春闘を223円下回った。
ベアの水準は、1000~1499円が51組合と、多くを占めた。1000円未満は21組合で、うち500円未満は11組合に上った。一時金(ボーナス)の平均回答月数は、15年の4.84カ月を上回る5.02カ月だった。
トヨタグループではこれまで、中核のトヨタの妥結水準が事実上の上限となっていた。しかし、労組間で賃金格差が広がることに不満がくすぶり、今回はトヨタを超える回答をどれだけ引き出せるかが注目された。