ソニーは21日、スマートフォンに搭載するカメラ部品である「カメラモジュール」事業の価値を低く見直す「減損処理」を実施し、2016年3月期連結決算で596億円の損失を計上すると発表した。営業利益を従来予想の3200億円から2900億円に下方修正した。
スマホ市場の成長が世界的に鈍化しており、部品需要が減少すると見込み、生産設備などの資産価値を引き下げた。米アップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)」の販売が減速していることも影響したとみられる。
16年3月期の売上高は従来予想の7兆9000億円から8兆1000億円に上方修正した。最終利益予想は、税金が想定よりも軽減される見込みとなったことを踏まえ、1400億円から1450億円に引き上げた。
ソニーは画像センサーを生産する熊本県の工場の稼働を相次ぐ地震のため停止しているが、17年3月期の業績見通しへの影響に関し「精査中」とした。