□ウイズ・コンサルティング社長・志水直樹さん(62)
--メガバンク、中堅メーカーの役員を経て、定年を前に起業を決意した
「60歳を迎え、残りの人生を悔いなく生きたいと考えた。2年前に財務コンサルタントとして独立した。銀行員時代に経営者と膝をつき合わせて議論し、感謝された原点が忘れられなかった。老後の生活収支のめどは立っていたこともある。シニア起業支援会社のアドバイスを受けながら、資本金300万円を準備した」
--最初の顧客獲得までに苦労した
「会社員時代の取引先は、あくまで会社を通じての付き合いにすぎない。会ってはくれても仕事にはなかなか結び付かなかった。当初はM&A(企業の合併・買収)案件を狙ったが、金額は小さくても経営者に寄り添う支援をしようと頭を切り替えた。地道に経営者セミナーや起業家の勉強会に顔を出すことで、1年を経て初めて仕事が取れた」
--銀行員時代の経験が生きている
「財務諸表の分析や論理的な思考は銀行員時代に培ったもの。さらに起業してからは、顧客がもうけるためという主体的な経理分析をするようになった。現在は5社の経営支援を行っているが、経営者から『数字をしっかり見られるようになった』『業績が改善した』と感謝されるのが何よりうれしい」
--シニア起業が注目されている。続く人へのアドバイスは
「今の仕事が向いているかどうかで考え込むよりも、まずは目の前の仕事でスキルを身に付けること。一つの道を究めることが、起業後に生きる。起業は自分が看板。会社の名前に頼らず、会合や勉強会に足を運ぶなどして自ら開拓した人間関係が、次の仕事につながったり、相談相手として生きたりする」
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【プロフィル】志水直樹
しみず・なおき 東大法卒。1977年、日本興業銀行入行。人事や融資を担当し2003年退職。東証1部上場のIT(情報技術)企業やメーカーの財務担当役員を経て、14年5月にウイズ・コンサルティングを開業。