【トップの素顔】小仲正久 日本香堂ホールディングス会長兼CEO(25) (1/2ページ)

2016.5.10 05:00

「高松宮殿下記念世界文化賞」授賞式典で実施運営した「香道」イベント=2002年

「高松宮殿下記念世界文化賞」授賞式典で実施運営した「香道」イベント=2002年【拡大】

 ■香の文化 さらに世界に発信

 20年後を見据えて、健康とともに、もうひとつのキーワードは文化です。

 香の文化は1400年を超える歴史を持ちます。「日本書紀」の推古3年の記述に、淡路島に香木が漂流して島人は驚き、推古女帝に献上したという記録があり、その時、聖徳太子が、それは沈香であるといわれたそうです。すでに仏教文化は日本に根付き、香木の貴重な価値も理解されていました。

 また、東大寺正倉院に収蔵されている有名な香木、蘭奢待(らんじゃたい)も伝説を持っています。それ以来、平安時代には香は貴族たちの生活文化になり、「源氏物語」で光源氏はそれぞれ女性の異なる香にひかれていくように、香が重要なツールとして登場します。室町時代から「香道」が形作られ、茶道とともに伝統文化として、受け継がれてきました。

 ◆日本土産の一品に

 日本香堂が扱うのは日本の伝統文化としての「香の商品」です。法要で使われるお線香は、そのひとつ。お線香やお香が育む「文化」を売ってきたともいえるのです。この香文化ビジネスをさらに広げていきたいと考えています。

 ただ、文化は無形ですから、難しい。四大宗教がありますが、その一つ仏教の文化は素晴らしく、世界に冠たるものは仏教文化にあるのではないでしょうか。歴史が保たれている寺院は、今や日本が圧倒的に多い。教義も文献も日本で最も継承されている。仏教研究するのも日本がベストといわれるほどになっています。国内外から奈良・京都に足を運ぶのは、祈りとともに神秘的で伝統が受け継がれてきた仏教文化に接することがひとつの理由です。

 その仏教とお香、お線香は切り離せないものですから、より一層、日本文化として世界に働きかけていくツールになると思っています。電気製品もいいけども、観光で訪れる人たちに接してもらい、お土産としても手にとってもらえる一品にしていきたいと思っています。

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