記者会見する平田政善上席常務=12日、東京都港区の本社【拡大】
経営再建中の東芝が12日発表した2016年3月期連結決算は、本業のもうけを示す営業損益が7191億円の赤字(前期は1884億円の黒字)に転落した。赤字額は、金融機関を除く事業会社では過去最大となった。米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の事業、資産の価値を引き下げる減損処理や家電事業の不振が響いた。
17年3月期は、営業損益が1200億円の黒字、最終損益も1000億円の黒字への転換を見込んだ。しかし、収益の柱に位置づける半導体事業は販売価格の変動が大きく、特にスマートフォンなどに使われる記憶用半導体はかなり業績が悪化するとみており、先行きは依然不透明だ。
経営の健全性を示す株主資本比率は5.8%から8%に改善すると予想するが、平田政善上席常務は「電機メーカーとしては30%が安定水準。まずは純資産の圧縮や営業キャッシュフローの改善など自助努力で2桁台に乗せたい」と説明。資本増強などについては「適切な時期に検討する」と述べた。