製薬大手3社の2016年3月期連結決算が12日、出そろった。新薬販売が好調だったアステラス製薬は最終利益が8年ぶりの過去最高となり、最大手の武田薬品工業の最終損益は黒字に転換した。第一三共は前期比で大幅な減益となった。
アステラス製薬の最終利益は42.6%増の1936億円だった。前立腺がん治療薬の販売が日米欧で伸びた。
武田は801億円の黒字を確保した。国内はジェネリック医薬品(後発薬)などに押されたが、潰瘍性大腸炎の治療薬が北米を中心に売れた。前期は糖尿病治療薬をめぐる米国での訴訟で多額の和解費用を計上し赤字だった。
第一三共は最終利益が74.5%減。インド子会社の売却益で大幅な増益となった前期の反動があった。
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■製薬大手3社の2016年3月期連結決算
(売上高/営業損益/最終利益)
武田薬品工業 1兆8073(1.7)/1308(-)/801(-)
アステラス製薬 1兆3727(10.1)/2489(34.1)/1936(42.6)
第一三共 9864(7.3)/1304(75.2)/822(▲74.5)
※単位:億円。カッコ内は売上高が前期比増減率%、他は前期実績。▲はマイナスまたは赤字。武田薬品工業は前期の営業・最終損益が赤字