【マネジメント新時代】日本企業における危機 (3/4ページ)

2016.5.14 05:00

燃費データ不正問題で、国土交通省への報告を終え会見に臨む三菱自動車の益子修会長(右)と相川哲郎社長=11日、東京都千代田区

燃費データ不正問題で、国土交通省への報告を終え会見に臨む三菱自動車の益子修会長(右)と相川哲郎社長=11日、東京都千代田区【拡大】

 ◆リーダー選任が大切

 不正が発生するのは、企業文化のせいであると言われるが、必ずしもそうとは言い切れない。トップマネジメントは、現在の役員、部長クラスから次第に選任されることを考えると、次にどのような人をマネジメントとして昇進させていくかは次世代の鍵を握る。

 リーダーシップ論で有名なJ.P.コッターは『ビジネス・リーダー論』の中で、有能なゼネラル・マネジャー15人の行動を徹底的に調査し、次のように説いている。

 状況が不確実な中で、基本目標、方針、戦略を設定する。その際に、各事業分野への不足がちな資源の配分に際してうまくバランスを図る。また、適宜問題に対処できるよう、大規模かつ複雑な諸問題を把握する。

 そして、有能なマネジャーの一般的な時間の使い方は、配下、同僚、上司、社外の人々と数多く接触し、多くの質問をすることに時間を当てていると。

 少子高齢化は今から変えることはできないが、企業文化はこれから変化することも可能であろう。つまり、企業は人間が作るのであり、仕事に対する熱意や真摯(しんし)さ、対人関係、複雑な要求に適応できる能力などを考慮し、それに適した人々をトップマネジメントとして選任していくことが、今後ますます求められるのではないだろうか。

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