倒れたときだけではありません。交通事故に遭ってしまったときも、おくすり手帳の情報があると、救急隊は適切な対処が素早くできます。このほか、災害の時にも役立ちます。災害の後、少し落ち着いた避難所などで身の安全が確保できると、持病のことが気になり始めます。その頃には、医療スタッフや薬も避難所に届いてきます。ところが、普段飲んでいた薬は、おくすり手帳でないと分かりません。避難所に薬が届いても、あなたにとって適切な薬かどうか見分けがつきません。おくすり手帳があると、記録されている薬の情報からすぐに適切な薬をお渡しできます。事実、おくすり手帳は21年前の阪神淡路大震災での苦い経験を生かして作られ、東日本大震災では多くの人の命を助けることができました。
こんなおくすり手帳も普段から持ち歩いていないと万が一の時に役割を果たせません。病院・薬局に行くときだけでなく、日頃からおくすり手帳を持ち歩いてほしいのです。あなたの命を守るために。
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【プロフィル】吉田聡
よしだ・さとし 1977年大阪生まれ。薬局・なくすりーな管理薬剤師。延べ30万人の服薬指導に当たる中、その薬が本当に必要なのかに疑問を持つ。近年、薬剤師の本質は「薬の引き算をすることにある」という考え方にたどり着く。患者さんに寄り添って薬を減らす服薬指導には定評がある。「薬の引き算をする薬剤師」として、講演などでも活躍中。