19日、上海市内のホテルで講演したキヤノン会長で最高経営責任者(CEO)の御手洗冨士夫氏【拡大】
キヤノンの御手洗冨士夫会長は19日、上海市内のホテルで講演し、今後5年間の同社の国際的な成長戦略の柱として「イノベーション(技術開発)の源泉を日本以外にも広く世界に求める」と強調し、映像関連の機器に関連して、中国を含むアジア地域での製品開発を加速していく考えを示した。
すでに欧米には置いている研究開発(R&D)の拠点を今後、中国やインドなどにも開設する意向を示したものとみられている。
また、御手洗氏に続いてキヤノン中国の小澤秀樹社長も講演し、「東京五輪など、アジアで開かれる一連のスポーツ大会はチャンスであり、(中国を含むアジア10カ国・地域で)2020年までに100億ドル(約1兆1000億円)の売上高をめざす」と打ち上げた。同地域での現在の売上高は公表していないが、5年で約2倍の規模をねらう意欲的な計画とみられる。
両氏の講演は、5年前に続いて上海で2回目となる同社の総合展示会「EXPO2016」にあわせて行われた。(上海 河崎真澄)