燃費データ不正問題に揺れる三菱自動車本社=12日、東京都港区【拡大】
社長らの引責で経営責任を明確にしたが、今後は問題車両のユーザーへガソリン代の差額分の支払いやエコカー減税の追加納税などの負担が待ち受ける。さらに燃費データ改竄問題公表後、国内の受注も激減しており、業績の大幅な悪化は避けられない状況だ。
またデータ改竄などの“暴走”を引き起こした開発部門の早急な態勢見直しも再発防止と信頼回復に向け急務となる。三菱自は既に日産に開発部門のトップを担う技術者の派遣を要請しており、日産は近く候補者リストを三菱自側に提案する。候補者は、三菱自の益子修会長が選び、6月24日の三菱自の株主総会で承認される見通しだ。三菱自は日産からの技術者を受け入れることで、開発部門は提携手続きの完了前から、事実上の日産傘下になる。日産の技術支援で開発力を補い、コンプライアンス(法令順守)意識の改革なども進め、不正体質の一掃を目指す。
日産との提携後の新たな経営体制も焦点だ。益子会長は日産からの出資受け入れ後に退任し日産から会長の派遣を受ける。日産との提携手続き完了後の新体制で、三菱自の会長と社長を誰が務めるかが注目される。