スズキが、燃費データを不正測定していた問題で、車両の走行試験を行う相良コース(静岡県牧之原市)の改修を検討していることが23日、分かった。燃費算出に必要なデータを、気象条件に左右されずに効率的に取得するのが狙いで、不正の再発防止と開発期間の短縮を図りたい考えだ。
スズキはタイヤと地面の摩擦や、空気抵抗などのデータを、法令で定められた屋外での走行試験ではなく、室内の設備を使って不正に取得していた。
相良コースは海から近いため風の影響を受けやすく、データにばらつきが出るため「何度も繰り返し測定する必要があった」(鈴木俊宏社長)という。測定の長期化が開発の遅れにつながるとの現場の危機感が、不正行為につながったとみられる。
スズキは相良コースに風を防ぐための壁を設置するほか、路面の整備も進め、安定的にデータを取得できる体制を整える。